建築にまつわるエトセトラ

蛙(かわず)の見る空

リブ建築設計事務所 主宰山本一晃のブログです。

嗚呼設計業・・・

2回目

Rib設計では<現在スタッフを募集中>です。実は少し前にも募集を行い、ためしに働いてもらっている人がいまして、頑張ってもらっているのですが、我社の基本方針と本人の考え方に相容れない部分があり、新たに募集を行うことにしました。設計事務所は星の数ほど存在しますが、その設計に対する考え方は千差万別です。今回は我社の設計に対する考え方を題材にしますので、気が合いそうと思う方(失業中の方?)は是非応募してきてください!

<昼休みのサッカーから>
高校時分は昼休みが来ると決まったメンバーが校庭に飛び出してきて、いつもサッカーをしていました。(弁当は二時間目のあとのロング休憩の際にたいらげておきます。)クラブや体育の授業ではないのでポジションを決めません。するとですね、ゲームを始めると攻めてばかりで守備に戻ってこない奴が必ずいます。(皆さんも心当たりがあるのでは?)そういう奴にはB型の人間が多いような気がしますが、悲しいことに私めはO型人間なので、攻めたくても自陣に誰も居ないと気になって守備にまわってしまいます。

<O型事務所です>
サッカーに限って言えばB型タイプの人間も貴重です。若い方は知らないかも知れませんが、1970年代にオランダにヨハンクライフというスーパースターがいました。彼はゲーム中どこにいるのかわからない時間帯があるかと思えば突如ゴール前に現れて決定的な仕事をする選手でした。ただ現在のサッカーでは全員が守備に貢献しないと相手に攻め込まれるリスクは高まります。
 建築も同じことで、斬新で個性的な設計をしたいという願望と、予算や使い勝手や法的条件をまずクリアしないといけないというプレッシャーがいつも私たちの心の中でせめぎあっています。そのあたりのバランス感覚が人によって千差万別ですので設計事務所に仕事を頼もうと思っている方は注意してください。我々は建築においてはお客さんのために失敗は許されないと考えますのでリスクは冒せません。そこでまずこの建築はどれだけの条件を満足しないといけないか、その中でデザイン的にどれだけのことができるかをまず整理することからはじめます。その意味で事務所としては全体のバランスを考えることを優先する<O型事務所>でなくてはいけないと思っています。(B型の方気分を悪くしておられたらすみません!)

<毎日の設計業務>
話は少しそれますが、今の設計の業務は(他の業界も同じだとは思いますが)必要な条件を満たすための仕事は山のようにあります。いわく「シックハウス対策」「性能表示」「省エネの検討」等等々・・・
必要なことではあるのですが、有名無実な作業も多くあり、いちばん必要な「設計」をする時間を見つけるために四苦八苦します。
 おまけに姉歯事件の影響で建築士の免許を更新にしようとなどと企んでいる人たちがいます。はあー

<良い先生とは?良い建築家とは?>
教師の免許はすでに更新制になることが決まっているようです。考えてみてください。ここに非常に熱心でいつも生徒のことを考え、アイデアを実践している先生がいるとします。でももうすぐ免許の更新の試験のために準備をしないといけません。試験問題は指導要領のことや学校制度のことなのでしょうか?「そんな時間をさくくらいならうちの子供の事を考える時間を与えてほしい」と親御さんたちは考えるのでは?
 よくスタッフに言うのですが建築は100点とって初めて合格点です。80点では20点分がクレームで不合格です。100点を目指しても思っても見ない落ち度はあるものなので、目標は120点に置かないといけません。
そのためには同じ時間にどれだけの密度でものを考えることができるかが勝負です。

<サービス業でもあります。>
顧客満足度」を高めようと思うと、同じ物を買うのでも接客態度のすぐれた店員さんだと気持ちが良いのと同じで、お客さんと打ち合わせをしながら進める設計作業のプロセスも大切です。正確な図面を書くだけでも結構大変ですがそれ以上のことが要求されます。

<所員はもっと大変です>
100%自分がこれらのことを実践できているかと言われると自信はないのですが、目標ではあります。で、スタッフにも同じ価値観を持ってほしいと思うのですが、スタッフとしては、お客さんに対しても上司に対しても同じことを要求されるので2倍しんどいということになります。でも仕事を任せている範囲においては所員が一番わかってないといけないのでそうしてもらわないと困るのです。などというからなかなか難しいのかも知れません。給料待遇も良いとはいえんしなあー
 なんとか新しいスタッフが決まればこの場で紹介しますのでよろしくお願いします。

・・・・というような今日この頃ですが「時間がない時間がないと愚痴をいってるくらいならこんな文章を書いてる暇に仕事をしておれ!」というおしかりの言葉もなく、最後まで拙文に付き合ってくださった方にはお礼を申し上げます。