建築にまつわるエトセトラ

蛙(かわず)の見る空

リブ建築設計事務所 主宰山本一晃のブログです。

68回目「らんまん」と「大阪万博」一方「泉大津市長」

68回目「らんまん」と「大阪万博」一方「泉大津市長」

ー見えるものと隠れているものー

 

<最近のこと>

 最近以前よりも本格的に農業を始めました。これについてはちゃんと整理して文章にする予定ですが、人に遊びに来てもらおうという意図もあり、FaceBookでは畑をつくる様子を公開しています。

 (以下個人的な事情ですので次の段落まで読み飛ばしてもらって結構です。)

 そんな中、FaceBookに見ず知らずの方から丁寧な友達リクエストが届きました。このブログを読んだことのある方ならお分かりかと思いますが、私は世の中に批判的な意見を吐露することも多く、そういう人間は、はたから見ると「うざい」存在であることも自覚しています。ですのでFaceBookのようなオープンな空間では、迷惑を拡散しないためにも、ある時期から原則的に友達は増やさない事にしました。共感してくれる方は、ブログを選択してもらえばよいという考えです。その旨その方にお伝えしました。

 ただ、ひょっとしてその方がブログを読んでくれるならば、しばらく更新していない状態も失礼かなあ、と思い、最近思ったことを綴ろうと思いました。

<「らんまん」を見てました>

富太郎とすえ子

 NHKの朝ドラ「らんまん」は先日終了しました。もともと朝ドラを見る習慣はなかったのですが、自宅勤務になったのと、農業してると天気予報を必ず見るので、続きで見るともなく朝ドラを見ていたところ「カムカムエブリバデイー」で市川実日子さんが出演してたのが目にとまり、毎日見るようになりました。ただ次の二作は正直脚本が薄っぺらかった。

 「夢は願えばかなう」という単純なお話がご都合主義的に展開されるだけでは、白けてしまう。少し脱線しますが、中島みゆきさんの歌が心に響くのは、それを超えた所に人生のひだがある事を感じさせてくれるからです。

 次のドラマは「牧野富太郎」という実在した植物学者がモデルだという。男性が主人公?今回もあまり期待はでけへんなあ~と思っていました。ところが・・・

 まず脚本が面白かった。主人公の万太郎(現実は富太郎)を含め、登場人物は欠点もあるが魅力的。私が一番気に入っていたのは、万太郎が窮地に陥った際、周りを説得するセリフです。現実では「理」が通らないことも多いですが。ドラマでは皆、万太郎に説得される。これもご都合主義と言えなくはないが、そこがスカッとさせてくれる。ご都合主義の使い方が上手でした。

 ところが、現実の様相はいささか異なります。まず現実の富太郎の方は、土佐に妻を置いて上京し、すえ子と知り合い、(本妻とは後日離婚しますが)何と(!)13人の子を持ったという。お坊ちゃん育ちの浪費癖により借金を重ね、実家の酒屋をつぶしてしまう。(借金は研究費よりも女郎屋通いが主だったようで・・)その後も懲りずに借金を重ねる富太郎を見かね、ドラマにも出てきた三菱財閥の岩崎が当時億単位の借金を肩代わりする。それでも借金を続けるのを見て愛想をつかされるがまた次の出資者(池長氏)が現れる。すえ子も待合茶屋を経営して資金を賄ったという。とにかくそれだけ魅力のある人物であったことは確かなようです。

大阪万博の表と裏>

万博会場現在案

 現実の富太郎には少しびっくりしますが、ドラマの面白さとは関係はないし、現代の人々に害がおよぶわけではありません。しかし「大阪万博」はそういうわけにはいかない。こちらの裏の顔は、予算の上積みが必要ということで隠れていた問題がやっと現れてきました。

 おそらく一番は軟弱地盤の問題、その他、交通アクセス、給排水などのインフラストラクチャーの問題、建築工期の問題。これらは開催地をこの埋立地にすると決める時点で検討されていなければならない話です。それが政治家の権威にかき消されて、今まで隠されていたわけですね。建前上はなるべく人の責任にできる言い訳がされていますけどそんなことはあり得ません。

 実は私の大学時代の友人が定年まで大阪市役所で、万博の責任者をしていたが、定年後、大病を患って今も再就職できていない状態。おそらく、あちらを立てればこちらが立たない無理難題を背負わされていたことは想像に難くない。なんで政治家のメンツを保つためだけに周りが被害を受けなあかんねん!!!物事を論理的に考えずに、権威を振り回す人物に権威を与えてはいけません。

 少し脱線しますがこれは、当初の会場配置案です。

        

 コンセプトは「あえて中心を創らない分散配置」私はこちらの方が断然好きです。「分散」+「多様性」は、あるべき21世紀の社会モデルなのですが、現実は逆行し、「勝ち組」になるためのスケールアップがいたるところで進行し、権威(中心)をもった者が独占を強める動きが加速している。それに伴い「自主性」はどんどん奪われる。

 付け加えられた「リング」はまさにそういった傾向の象徴に見える。まあそんなややこしい話は抜きにしたところでこの構造物は明らかに「過剰」と思いませんか?建築の専門家として、巨大すぎて雨除けの役にも立ちそうにない屋根を200億もの費用をかけて作るのは全く理解できません。

付け加えられた「リング」

 <そして「泉大津市長」>

泉大津市長南出氏

 なかなか表に出ない裏側の事実をちゃぶ台返しのようにひっくり返しているのが泉大津市長の南出氏です。「10月から始まるワクチン接種の前に知っていてほしい事実」として解説されていますが、20分弱のビデオメッセージは「ホンマかいな~」「うそ~」の連続です。ここで述べられている「事実」は、公のデータであるにもかかわらず、一般の人々が普段接することのないところにこっそり置かれている事実なんでしょう。本来、その仕事をするのは「マスコミ」のはずですが、福島第一原発の「汚染水放流」と同じく大本営発表しか報道しない人たちには到底無理な話。同じく政権よりの政党に属している市長さんには、決してできない芸当です。南出氏の出自は良く知らないので、もろ手を挙げて称賛するのは、よい事かはよくわかりませんが、このメッセージは素晴らしいです。とにかくご覧ください。

新型コロナウイルスに関する市長メッセージ(R5.9.20) - YouTube

<とにかく栄養のある野菜を作りたい!>

 冒頭で言った通り、農業についてはいまやろうとしていることをまとめますが、唯一の目的は「とにかく栄養のある野菜を作りたい!」そのためにいろいろなことを考えています。