建築にまつわるエトセトラ

蛙(かわず)の見る空

リブ建築設計事務所 主宰山本一晃のブログです。

5回目<母の家建替顛末記-その3->

■ H20年2月8日
5回目<母の家建替顛末記-その3->     

                              
● ● ● ● 母の家工事進行中 ● ● ● ● 
 過去二回報告した「母の家ができるまで」の続きです。前回は工事契約までのお話でした。現在のところ、そろそろ仕上げ工事が佳境に入ろうとしています。
 母としては、家を建てるのは初めてなので完成までのプロセスを楽しんでもらえたらと思っています。
地鎮祭
1  地鎮祭は、略式ですが行いました。地元の神社の神主さんにお願いしました。(写真①)私も通った小学校の校長先生もされていた方だそうです。ちなみに右側手前が私の母親、奥がそのお兄さんで今回壁に張る織物を(ただで!)提供していただく竹田織物の社長さんです。

 

上棟式
2  今回の家は鉄骨造なので「上棟」といっても鉄骨が建っているだけです。式は現場の職人さんたちと略式でとり行いました。
 写真②は住宅南側の部分です。柱が4本立っていますが、奥の2本は手前の2本に比べて細くなっているのがわかると思います。細い柱のあたりは、ほぼ全面アルミサッシュの開口になります。これこそが今回鉄骨造を採用した一番の理由です。木造の場合、筋違いの必要な壁が必要になるのでここまで開放的にしつらえるのは、普通のやり方では不可能です。
3_3  写真③は玄関前の土間になる部分です。前々回(四回目)に解体した家の土間の写真を載せていますが、そのイメージを現代風に再現しようとしています。




●土間空間のイメージ
Jpeg_4

 

 

<竹その後>
 居間・食堂は勾配天井にしていますが、以前も紹介しましたように、天井の仕上材として実家にある竹やぶの竹を割って使うことにしています。ただ、割る方法が見つかっていないというのが前回までのお話でした。
 工事が始まった段階では、大工さんが何とかしてくれるかなと思っていたのですが、無理とのこと。もうこれは失敗覚悟で自分で割るしかないかなあと考えていました。
 ある日のこと、少し時間が余ったので、古い竹細工屋さん(実は前からそこにあるのは知っていたが、営業しているかどうか怪しそうだったので問い合わせてなかった)に寄ってダメもとで聞いてみたところ、一度見に行ってあげるとのこと。
 現場に来て見てもらったところ、まず、虫がついて使えない竹が相当数あるとのこと。もうひとつは、乾燥する段階で割れている竹があり、たぶん竹一本につき、2~3本しか取れないだろうという指摘。割る作業をしても無駄になる可能性があります。竹細工屋さんから製品を買う手もあるのですがそうすればこれまでの手間が水の泡です。
4  無駄になるのは申し訳ないので私が自分でやってみようかなと申し上げたところ、素人では無理なのでそれなら割ってあげるということで、さっそく作業を始めました。竹細工屋さんが割った竹を私が節を削っていくという分担で、丸一日かけて割りました。(写真④)
 一緒に作業をしながら、竹は節をみれば何年目の竹かすぐわかるということ、竹の可能性を広げていろんな用途に使いたいが専門の研究者がいないということ、等々一日中竹のお話を伺いました。
5  竹細工屋さんの名は「籠辰商店(tel0724-22-0218)信達さん」とおっしゃいます。どうも有難うございました。信達さんは大工さんにも張り方の指導をしていただきました。試し張りをして目地の幅、寸法の調整の仕方を確認しました(写真⑤)

今のところ仕上作業の真っ最中です。次の課題は解体したとき取り置いた昔の家の部材がうまく使えるかです。非常に丁寧な仕事をする大工さんに来ていただいてるのでうまくいくと思います。